片頭痛患者の日常生活の注意点(改善点)

片頭痛のある人は日本では約800万人いると推計されています*。片頭痛と緊張型頭痛を合併しているケースもありますが、片頭痛と緊張型頭痛を的確に鑑別することが容易でないケースもあります。慢性頭痛の診療ガイドライン2013では、頭痛ダイアリーという日記をつけて、自身の頭痛がどのような頭痛なのか正確な情報を効率よく医師に伝えることが推奨されています。

【*引用】きょうの健康 2019年11月

【頭痛ダイアリー】日本頭痛学会HP

*ストレス、疲れ、睡眠不足・睡眠過多は片頭痛の誘発・増悪因子です(エビデンスのグレードB)。

**ストレスから解放される週末は片頭痛に襲われやすい(週末頭痛)。

***ストレスやストレスからの解放、人混みなども片頭痛の誘因となります。

****緊張からの解放、すなわち就業後や週末には頭痛が現れやすい。これは交感神経の作用が減弱することによると考えられる。睡眠は頭痛の改善に有用であるが、寝すぎや昼寝は誘因となることも多い。これも交感神経の作用との関連があるだろう。

【*引用】慢性頭痛の診療ガイドライン2013
   グレードA:強く勧められる
   グレードB:勧められる
   グレードC:勧めるだけの根拠が明確でない
【**引用】薬局 2007 vol58.No.7 117-122「片頭痛に伴う随伴症状への対処法とホームケア③」
【***引用】今日の健康 2019年11月 埼玉医科大学 荒木信夫
【****引用】CLINICIAN 2007年9月 No.562

*「臭い」は片頭痛の誘発・増悪因子です(エビデンスのグレードB)。

**光、音、臭いなど外的刺激は発作時の頭痛を強調させるが、非発作時にも頭痛を誘発することもある。

***たばこや香水のにおいなどによって頭痛が誘発されていると考えられます。

【*引用】慢性頭痛の診療ガイドライン2013
推奨のグレードA:強く勧められる
   グレードB:勧められる
   グレードC:勧めるだけの根拠が明確でない
【**引用】CLINICIAN 2007年9月 No.562
【***引用】ファイザー株式会社 スッきりんのバイバイ頭痛講座

*日光は片頭痛の原因となります。その場合は、赤系のサングラスをかけるとよいでしょう。青系はかえって片頭痛を誘発します。

【*引用】薬局 2007 vol58.No.7 117-122「片頭痛に伴う随伴症状への対処法とホームケア③」

*「天候の変化」、「温度差」は片頭痛の誘発・増悪因子です(エビデンスのグレードB)。

**炎天下、高温時、天候・気候の変わり目などには発汗などのために血管拡張を呈するので片頭痛を誘発しやすい。発熱も同様である。

急激な温度差の回避、夏季には就寝時の水枕や起床前のクーラー作動など生活の中での工夫によってかなり頭痛発作を減らすことができる。

***台風や梅雨の季節になると頭痛が起こりやすくなる人がいます。気圧の急激な変動の影響ではないかといわれています。また、気温や室内外の温度変化も誘因となります。夏の屋外では帽子や日傘を使用したり、クーラーのきいた室内では上着を羽織るなど工夫しましょう。


【*引用】慢性頭痛の診療ガイドライン2013
   グレードA:強く勧められる
   グレードB:勧められる
   グレードC:勧めるだけの根拠が明確でない
【**引用】CLINICIAN 2007年9月 No.562
【***引用】ファイザー株式会社 スッきりんのバイバイ頭痛講座

*「空腹」は片頭痛の誘発・増悪因子です(エビデンスのグレードB)。

**頭痛は空腹時に起こることが多いです。血糖値が低下すると頭痛が起こります。朝食を抜くと頭痛の原因となります。

***早朝に片頭痛が起こることが多い患者では、血糖が低下して頭痛が誘発されていることも考えれるため、就寝前に少量のビスケットなどの摂取を勧め、翌日朝、頭痛が起こるか否か確認してもよい。

【*引用】慢性頭痛の診療ガイドライン2013
   グレードA:強く勧められる
   グレードB:勧められる
   グレードC:勧めるだけの根拠が明確でない
【**引用】薬局 2007 vol58.No.7 117-122「片頭痛に伴う随伴症状への対処法とホームケア③」
【***引用】書籍 トリプタンの使い方―新しい片頭痛治療薬のさじ加減 間中 信也 2004年

*「アルコール」は片頭痛の誘発・増悪因子です(エビデンスのグレードB)。特に「赤ワイン」が誘発・増悪因子として有名です。これは痛みに関連するヒスタミンや血管拡張作用のあるアルコール、ポリフェノールの関与が考えらています。

**血管拡張作用のあるアルコールは片頭痛を誘発します。その含有物も頭痛の原因となります。赤ワインが最も片頭痛を起こしやすく、蒸留酒は起こしにくいとされます。

【引用】慢性頭痛の診療ガイドライン2013
   グレードA:強く勧められる
   グレードB:勧められる
   グレードC:勧めるだけの根拠が明確でない
【**引用】薬局 2007 vol58.No.7 117-122「片頭痛に伴う随伴症状への対処法とホームケア③」

*チーズ、チョコレート、かんきつ類、ナッツ類が古くから片頭痛を誘発するものとして有名です。アルコール以外の食品は個人差により影響(反応)が異なるため、摂取を制限するよう指導する必要はないむやみに食べ物を制限するとかえって患者のQOLを低下させる場合もある

**片頭痛と関連する食品:熟成チーズ、カフェイン含有飲料、チョコレート、濃縮した砂糖、乳製品(アイスクリーム、ヨーグルト)、漬物、熱帯果物(バナナ、アボカド、パイナップル)、保存肉製品(ホットドック、ベーコン、サラミ)、調味料(グルタミン酸ナトリウム)、硫酸塩を含む食品(サラダバー、魚介類、葡萄酒)、野菜(玉ねぎ、さやえんどう、ピーナッツ)、酵母製品、かんきつ類、脂肪に富む食物、塩漬けにしん:これらの食品が片頭痛に関係するというのは外国人のデータであり、日本人は食物と片頭痛の関係は薄い。片頭痛患者は発作前に予兆として甘味をとりたくなる。このことが片頭痛の「チョコレート犯人説」の起源の可能性がある。

***片頭痛を誘発しやすい食品でも、全ての患者で誘発因子となるわけではなく、また同じ患者でも体調の良しあしにより反応は異なってくる。食事制限などで患者を神経質にさせる必要はない

****食品について気にする人が多いが、アルコールを除き、欧米人に比較して(日本人は)食事性片頭痛は多くありません。

*****患者が自分自身の頭痛と密接な関与を疑う食品があれば、まずそれを1カ月ほど食べるのを避け、頭痛が減少するか否か確認する。

【*引用】慢性頭痛の診療ガイドライン2013
【**引用】薬局 2007 vol58.No.7 117-122「片頭痛に伴う随伴症状への対処法とホームケア③」
【***引用】日経メディカルオンライン 2013/02/14 「片頭痛にチョコレート厳禁はホント? 」
【****引用】CLINICIAN 2007年9月 No.562
【*****引用】書籍 トリプタンの使い方―新しい片頭痛治療薬のさじ加減 間中 信也  2004年

*サプリメント:ナツシロギク、マグネシウム、ビタミンB2(リボフラビン)は片頭痛予防に有効とされる(推奨グレードB)。サプリメントによる治療は、薬物療法に禁忌のある患者、薬物療法に反応しない患者、妊娠・妊娠の可能性のある患者等の治療オプションである。

**マグネシウム、大量のビタミンB類は片頭痛の予防効果があるので、これらを多く含む大豆製品や緑黄色野菜、海藻類を積極的に摂取する。海藻のひじきは、英国食品規格庁が微量ヒ素が含有されているとして注意を呼び掛けている。妊婦と乳幼児はひじきを控えたほうがよいかもしれない。

【引用】慢性頭痛の診療ガイドライン2013
推奨のグレードA:行うよう強く勧められる
   グレードB:行うよう勧められる
   グレードC:行うよう勧めるだけの根拠が明確でない
【**引用】薬局 2007 vol58.No.7 117-122「片頭痛に伴う随伴症状への対処法とホームケア③」

急性期治療および予防に対する鍼治療は、RCT(ランダム比較試験)がなされていて有効とされているものもある。しかし試験の質、および量は不十分で、さらなるエビデンスの集積が必要であると記載はあるものの、推奨グレードはBとされている。鍼治療は、薬物療法に禁忌のある患者、薬物療法に反応しない患者、妊娠・妊娠の可能性のある患者等の治療オプションである。

【引用】慢性頭痛の診療ガイドライン2013
推奨のグレードA:行うよう強く勧められる
   グレードB:行うよう勧められる
   グレードC:行うよう勧めるだけの根拠が明確でない

*ウォーキング、水泳、腹式呼吸などはセロトニン神経をきたえる効果があると言われており、日頃から、無理のない範囲でこれらの運動をするように勧める。

【*引用】書籍 トリプタンの使い方―新しい片頭痛治療薬のさじ加減 間中 信也  2004年

ヨガで片頭痛が緩和という報告があります。

薬剤療法単独群と薬剤療法にヨガを追加する併用群で試験を実施し、ヨガ併用群では、呼吸法、瞑想、ポーズを含む1時間のヨガを実践した。初めの1カ月間はヨガインストラクターによる週3日の指導を受け、その後の2カ月間は自宅で週5日行った(計3か月間)。解析の結果、単独群と比べてヨガ併用群では、頭痛頻度が有意に低下した。

【引用】Neurology 「Effect of Yoga as Add-On Therapy in Migraine (CONTAIN): A Randomized Clinical Trial」2020 May 6;10.1212

【患者向けサイト】

スッきりんのバイバイ頭痛講座(ファイザー株式会社)